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古典ギリシア語をWindows上で使う方法

Last Updated: 2004/08/07

このページは、古典ギリシア語の編集をMS-Windows上のMeadowというエディターで行うための方法を説明するものです。

この古典ギリシア語パッケージは、本来 Unix (Linuxを含む)上のエディターである Emacs-20 や Mule の上で古典ギリシア語環境を実現するものでした。 その Unix を中心とした親ページは CGreek プロジェクト ホームページをご覧ください。
このページでは Meadow版に関係することを、インストールの仕方を中心にできるだけ丁寧に述べることにします。


new

・MeadowがEmacs21によるMeadow2となったことにあわせて、このページ全面的に書き直し。(8/7)


このシステムの利点
(その他のメリットについてはここを見てください。)

多少の問題点

このようにちょっと気後れするかもしれませんが、一度導入すると西洋の古典学の研究者には実に快適な環境が得られます。
できる限り丁寧に説明したつもりなので、是非とも使ってみてください。
(なお、Windowsの98と2000とでは確認していますが、95とNTでは未確認です。でもたぶん大丈夫だと思います。)


分かりにくい説明やうまくいかないことがあれば直接私までお知らせくださっても結構です。 ですが、ここを見てCGreekのメーリングリストに入ってくださるよう強く希望します。(私はユーザにすぎず、手におえないことが多すぎるので)

skawazoe@bun.kyoto-u.ac.jp

導入手順・目次

  1. 前準備
    1. cygwinの導入
    2. ダウンロードしたファイルの解凍方法

  2. Meadowのインストール
    1. ダウンロード
    2. 解凍作業
    3. 起動とテスト

  3. CGreek Packageのインストール
    1. ダウンロード
    2. 解凍作業
    3. .emacsファイルの設定
    4. パッケージの起動確認

  4. 簡易印刷のための設定
    1. Ghostscript のダウンロード
    2. Ghostscript のインストール
    3. .emacs の設定
    4. 動作テスト

  5. TeXシステムのインストール
    1. TeX 本体のインストール
    2. Ibycus4 システムのインストール
    3. YaTeX のインストール
    4. .emacs の設定
    5. 動作テスト

  6. TLGの利用のための設定
    1. コンバーターの設定
    2. 動作テスト

  7. 初めての人のためのヒント
    1. とにかくMeadowを使ってみる
    2. Meadowを便利に使うちょっとしたこと
    3. リンク集
    4. 参考となる本

前準備

  1. Cygwinの導入

    まず、前準備として Cygwin を導入しておきます。Cygwin は Windows の上で Unix のようなコマンドを実現するためのもので、本システムをインストール・設定作業のために必須です。
    以下は Cygwin1.1 のインストール方法です。以前のb20.1では TLG CD-ROM を見るための設定がうまくいきませんので注意してください。

    1. Cygwin を導入するには、ここをクリックして、指示に従うだけです。
      その前に、ここを見て概要をつかむのがいいかもしれません。
      特に理由がなければ、インストーラーが指定する初期設定(デフォールト)に従っておいてください。

    2. 次に、システムのドライブ(通常は c:\)にエクスプローラーなどで次の二つのフォルダを作成しておく。
      \bin
      \tmp

    3. 自分のホームディレクトリ(フォルダ)を作成するか、あるいは既にあるディレクトリ(フォルダ)を決定しておく。
      これもUNIXの流儀で、コンピュータの使用者の個人的なファイルの置き場所を決めなくてはならない。
      以下ではc:\HOMEがホームディレクトリ(フォルダ)という前提ですすめる。別のディレクトリにするのであれば、以下の記述は適宜読みかえてください)

    4. autoexec.bat というファイル(通常は Windows システムのドライブである c:\ に存在している)をメモ帳などで開き、次の5行を加える。
      SET PATH=C:\CYGNUS\BIN;%PATH%
      SET HOME=C:\HOME
      SET TMP=C:\TMP
      SET MAKE_MODE=UNIX
      SET SHELL=C:\BIN\BASH.EXE

      Windows2000やNTの場合には、コントロールパネル -> システム -> 詳細 -> システム環境変数に同じようにPathを付加する。

      もちろん、以上の設定はCygwinをc:\CYGNUSにインストールした場合(デフォールト設定)なので、もし別の場所にインストールしたのであればその場所を指定すること。

    5. config.sys というファイル(これも c:\ に存在している)をメモ帳などで開き、次の一行をファイルの最後に付加する。
      shell=C:\command.com /e:4098 /p

      Windows2000やNTの場合には、上述同様に、コントロールパネルのシステム環境変数に付加する。

    6. C:\CYGNUS\BINに存在している、bash.exeをC:\BINにコピーする。

    7. ここで必ず、Windowsを再起動する。

    8. スタートメニュ -> プログラム -> Cygnus Solutions -> Cygwin 1.1 Bash Shell をクリックして、Bashという名前のウィンドウを開く。 その黒いウィンドウの中で、
      $ cd [Enter]
      $ ls [Enter]
      として( [Enter] はもちろんそのまま打ち込むのではなく、Enterキーを押すこと)、自分のホームディレクトリ(フォルダ)の中身が表示されたら、インストールは成功している。 もし、ホームディレクトリが空であれば、
      drwxr-xr-x   2 0        everyone        0 Jul 18 01:01 ./
      drwxr-xr-x  24 0        everyone        0 Jul 18 01:01 ../
      
      とだけ表示されるが、これで問題ない。

  2. ダウンロードしたファイルの解凍方法

    ここではCygwinが正常にインストールされているものとして、そのUnixのコマンドを使ってダウンロードしたファイルを解凍する方法を概括的に説明します。
    (ダウンロードしたファイルは通常、複数の関連したファイルを一まとめにし、しかも「圧縮」されているので、それを「解凍・展開」して通常のファイルに変換する必要がある。圧縮するのはダウンロードの時間を短くするためである。)

    1. 解凍(展開)の作業は上記のスタートメニュ -> プログラム -> Cygnus Solutions -> Cygwin B20をクリックして現れるBashのウィンドウで行うこととする。

    2. 一般的なコマンドの形式は、
      $ tar xfvz 〔ファイル名〕 [Enter]
      という形式となる。(スペースはすべて半角を使うこと)

    3. ただし、この作業をどこの場所で行うのか(上記のコマンドをどのディレクトリで行っているのか)が肝心なので、その点は以下のそれぞれのファイルの解凍ごとに説明することとする。
      (なお、Bashの中ではディレクトリの区切り文字は \ ではなく、/ なので注意すること。)

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Meadowのインストール

ここでまずMeadow 本体のインストールの仕方を説明します。
もし既に Version1.10 以前の Meadow を使っているのであれば、1.10 以降のヴァージョンに変更しないと Cgreek パッケージはうまく動きません。

  1. ダウンロード

    Meadow のファイルをダウンロードする。ここをクリック
    保存するディレクトリ(フォルダ)はどこでもよいが、

    以下では、前準備で作成した c:/binの下にMeadowをインストールすることを前提とする。別のディレクトリにインストールするのであれば、適宜読みかえてください。

    ただし、Windowsで使われることの多い\Program filesディレクトリにインストールすることは避けてください。解凍・展開のためのBashがこのディレクトリを認識しないためです。

  2. 解凍作業

    Cygwinを起動し、上記ファイルを保存した場所に移動し、解凍する。つまり、次のようにする。

    $ cd /bin [Enter]
    $ tar xfvz meadow-1.10-i386.tar.gz [Enter]
    とする。
    そうすると、c:/bin/Meadow/1.10/というディレクトリが作られているので、エクスプローラなどを使って、そのディレクトリの intall.exe をダブルクリックする。
    すると、インストールプログラムが黒い dos 窓で起動する。そのとき、「ホームディレクトリ」をどこにするのかを入力しなければならないので、
    c:/home [Enter]
    と入力する。(前準備で決めておいた自分のホームディレクトリの名前が違っていれば、もちろん変更してください。)

  3. 起動とテスト

    インストールが問題なければ、Meadow のフォルダが表示されるので、そのなかの Meadow のアイコンをクリックして起動を確認する。
    ウィンドウの大きさなどが各自の環境では不都合であるかもしれない。この点はここを参照。 また、このままでは通常の日本語入力ができず、アルファベットしか入力できない。この点も後に記す

    しかし、とりあえずいったん Meadow を終了する。終了するには、

    Ctrl キーを押しながら x を押し、次にさらに Ctrl キーを押しながら c を押す(これを以下では、C-x C-c と表記)

    あるいは、メニューバーから

    Files -> Exit Emacs
    でもよい。

    つぎにMeadowのアイコンを右クリックして、プロパティの「作業フォルダ」の中身を、

    c:\home
    としておく。これは必須というわけではないし、c:\home にしなければならないわけでもないが、Meadow の上で作業する上では自分のホームディレクトリを作業フォルダにしておくのが何かと便利かと思う。

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CGreek パッケージのインストール

以下では Meadow が動いていることを前提に、Cgreek パッケージの本体のインストールと、印刷関連を除く設定を解説します。

  1. ダウンロード

    Cgreek パッケージのファイルをダウンロードする。ここをクリック
    その場合、保存するディレクトリは自分のホームディレクトリとすること(これまでの例ではc:/home)。

  2. 解凍作業

    Cygwin で bash を起動し、自分のホームディレクトリに移動し、解凍する。つまり、

    $ cd [Enter]
    $ tar xfvz cgreek-meadow.tar.gz [Enter]
    とする。

    するとホームディレクトリの下に cgreek-meadow というディレクトリが作られているはずです。

  3. .emacsファイルの設定

    Meadowには .emacs という特別なファイルがあます。これにいろいろな設定をすることによってMeadowの使い方を自分好みに変更することができます。
    CGreek パッケージもその「自分好み」の一つなので、以下で .emacs の基本的な設定と関連した作業をします。

    1. Meadow を起動し、 C-x C-f とする(あるいは、メニューバーから Files -> Open File)。 すると、Meadow のウィンドウの一番下(ミニバッファーという)に
      Find file: ~/
      と表示される(この ~/ は各自のホームディレクトリを示す記号。つまり、これまで前提としてきた設定によれば、c:/home/ を指す)。
      そこで、
      Find file: ~/.emacs [Enter]
      とすると、真っ白の新規ファイルが現れる。

    2. そこで、
      (load "~/cgreek-meadow/dotemacs")
      と入力する。

    3. 次に、C-x C-s (あるいは、メニューバーから Files -> Save Buffer)で .emacs ファイルを保存する。

    4. つぎに、C-x C-f (あるいは、メニューバーから Files -> Open File)として、
      Find file: ~/cgreek-meadow/dotemacs.el [Enter]
      として、dotemacs.el というファイルを読み込む。

    5. その dotemacs.el ファイルの初めのほうに、
      ;(set-language-environment 'japanese)
      ;(set-keyboard-coding-system 'sjis-dos)
      ;(mw32-ime-initialize)
      ;(setq mw32-ime-mode-line-state-indicator "[--]")
      ;(setq mw32-ime-mode-line-state-indicator-list '("--" "[あ]" "[--]"))
      ;(setq cgreek-japanese-input-method "MW32-IME")

      という部分があるので、その左端のセミコロンを削除する(カーソルをセミコロンの上において、Delete キーを押す。あるいは C-d)。

    6. 同じファイルの末尾に
      ;(global-set-key [f10] 'cgreek-greek-mode)
      ;(global-set-key [f11] 'cgreek-latin-mode)
      ;(global-set-key [f12] 'cgreek-japanese-mode)

      があるので、同様に左端のセミコロンを削除する。
      (これは必須ではないのですが、f10でギリシア語、f11で欧文、f12で日本語が入力できるようになるので便利。また、この設定は別のファンクションキーに割り当ててもいい。)

    7. 最後に、C-x C-s (あるいは、メニューバーの Files -> Save Buffer )で dotemacs.el ファイルを保存する。

    8. いったんMeadowを終了する(C-x C-c あるいは、メニュバーの Files -> Exit Emacs )。

  4. パッケージの起動確認

    以上の準備の後に、再度 Meadowを起動し、次の点を確認する。

  5. ここまでで印刷とTLG関係を除いて設定が済んだので、ここを見て Meadow でギリシア語などの入力を試し、気分転換してもいいかもしれませんね。

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簡易印刷のための設定

ここではCGreekのメニューから、画面上に見えるままの内容をプリンターで印刷するための設定を説明する。
Meadow 自体には現在のところ印刷機能がついていないので、Ghostscript というプログラムを使って印刷することになる。
(現在の Ghostscript の最新ヴァージョンは6.01ですが、私の環境では理由がよく分かりませんが、うまく動きません。ですから、ここでは少し古いヴァージョン5.50で設定します。)

  1. Ghostscriptのダウンロード

    ここからオリジナルのファイルを取ってくる。保存する場所は適当でよい。
    つぎにここから日本語化のためのファイルと取ってくる。これも保存する場所は適当でよい。
    (もし .zip ファイルの解凍ツールをもっていなれば、ここからとってきて、cygwin の/bin/などパスの通った場所にコピーしてください。)

  2. Ghostscriptのインストール

    ここのインストール手順(WIN API版)を参照してインストールする。(簡単ですみません。でもこれで尽きています。)

  3. .emacsファイルの変更

    Meadow を起動して、C-x C-f (あるいはメニューバー) で .emacsファイルを読み込み、次の4行を追加する。

    (setq ps-printer-name nil
    printer-name nil)
    (setq ps-lpr-command "gswin32c.exe")
    (setq ps-lpr-switches '("-q" "-dNOPAUSE" "-sDEVICE=mswinpr2"))
    次に、いったんMeadow を終了(C-x C-c )し、再度 Meadow を起動して新しい .emacs を読み込む。

  4. 動作テスト

    C-x C-f で ~/cgreek-meadow/sample.txt を読み込む。

    つぎに、メニューバーの CGreek -> Print -> Buffer を押すと、「通常使うプリンター」の設定画面が出るので、OKを押してテストプリントがうまくいけば問題がない。


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TeXによる印刷のための設定

上記の簡易印刷ではきちんとした文書として他人に見せるには不十分なクオリティしか得られない。そのため、CGreekパッケージはTeXという精密な印刷用プログラムとの連携も取れるように設計されている。
TeXは極めて高い印刷クオリティを得ることができる反面、そのための設定に多少の困難が伴う。また、TeXを使いこなすためには、TeXのいろいろな規則を学ばねばならないので、一般のワープロソフトのような簡便さは期待できないことは承知しておかねばならない。

  1. TeX本体のインストール

    これについては次の書籍を購入し、付属のCD-ROMからインストールすることをお勧めします。

    乙部厳己、江口庄英著
    『pLaTeX2e for Windows Another Manual Vol.1 Basic Kit 1999』
    SoftBank ISBN4-7973-0718-8 ¥3,900
    このインストーラーで、TeX本体と表示・印刷ユーティリティであるdvioutの両方を一挙に、しかも簡単にインストールできます。
    また、この書籍では秀丸(斎藤秀夫さん)という有名なWindows上のエディターとの連携が基本とされていますが、TeXの設定そのものは秀丸とは独立であり、秀丸をインストールしないことも可能となっています。
    また、この本だけで TeX の全体の一応のことが分かります。

    もちろん、Web上では最新のTeXシステムが無料でダウンロードできます。どうしてもというのでしたら、次のサイトを見てください。

    http://akagi.ms.u-tokyo.ac.jp/texinst98.html
  2. Ibycus4のインストール

    つぎに、TeX 本体の正常なインストールが済んだことを前提として、TeXの上でギリシア語のフォントを使えるようにするためのIbycus4の設定を行います。
    また Ibycus4 のために必要な Levy のパッケージも設定します。

    1. まず、ここからIbycus4(ibycus4.tar.gz)をダウンロードして、適当なところに保存する。(以下では、c:\tmp に保存したものとして説明する。)
      また、ここからLevy(levy.zip)をダウンロードして次のディレクトリに保存する。
      c:\bin\ptex\texmf\fonts\source\public
      (これは先述の書籍によるTeXの標準的なインストールに従ったディレクトリなので、必要に応じて変更してください。)

    2. Ibycus4.tar.gz の解凍とコピーを Bash を起動して、次のようにします。
      $ cd c:/tmp [Enter]
      $ tar xfvz ibycus4.tar.gz [Enter]
      そのうえで、さらにBash 上で次のようにファイルのコピーを行います。
      (以下の $TEXMF は前述の書籍によるインストールのデフォールトでは、 c:\ptex\texmf のはずです。)
      $ cd ibycus4/reloc
      $ cp -r tex/generic $TEXMF/tex/generic
      $ cp -r fonts/tfm/public/ibycus4 $TEXMF/fonts/tfm/public
      $ cp -r fonts/source/public/ibycus4 $TEXMF/fonts/source/public

    3. ibycus4.map をコピーする。
      $ cd $TEXMF/tex/generic/ibycus4
      $ cp -r $TEXMF/fonts/source/public/ibycus4/ibycus4.map ibycus4.map

    4. levy.zip の解凍とコピーを次のようにします。
      $ cd $TEXMF/fonts/source/public
      $ unzip -d levy.zip
    5. ファイルの確認
      次のディレクトリにちゃんとファイルが存在することを、エクスプローラーなどで確かめてください。
      (以下の $TEXMF は前述の書籍によるインストールのデフォールトでは、 c:\ptex\texmf のはずです。)
      [ $TEXMF\tex\generic\ibycus4\ ]
        Uibycus4.fd   iby4text.tex  ibycus4.map   ibycus4.tex   tlgsqq.tex
        iby4extr.tex  ibycus4.ltx   ibycus4.sty   setiby4.tex   version4.tex
      
      [ $TEXMF\fonts\tfm\public\ibycus4\ ]
        fibb84.tfm   fibb849.tfm  fibo848.tfm  fibr84.tfm   fibr849.tfm
        fibb848.tfm  fibo84.tfm   fibo849.tfm  fibr848.tfm
      
      [ $TEXMF\fonts\source\public\levy\ ]
        00Description    grbase.mf        grtt10.mf        q.mf
        00readme.txt     grbld10.mf       h.mf             r.mf
        a.mf             grbld8.mf        i.mf             s.mf
        b.mf             grbld9.mf        j.mf             slgreek.sty
        d.mf             greek.mf         k.mf             t.mf
        digits.mf        greekhist.tex    l.mf             testfont
        digits.mf-old    greekmacros.tex  lig.mf           todo.txt
        e.mf             greekuse.tex     lower.mf         u.mf
        f.mf             grinstall.tex    m.mf             upper.mf
        g.mf             grpunct.mf       makeall          w.mf
        g.mf-old         grreg10.mf       makefont         x.mf
        gen_acc.mf       grreg8.mf        n.mf             y.mf
        gen_sigma.mf     grreg9.mf        o.mf             z.mf
        graccent.mf      grtestfont.tex   p.mf
      
      [ $TEXMF/fonts/source/public/ibycus4/ ]
        abary4.mf    fibb848.mf   fibr84.mf    ibyacc4.mf   ibypnct4.mf  ubary4.mf
        cigma4.mf    fibb849.mf   fibr848.mf   ibycus4.map  ibyupr4.mf   version4.mf
        digamma4.mf  fibo84.mf    fibr849.mf   ibycus4.mf   koppa4.mf    wbary4.mf
        ebary4.mf    fibo848.mf   hbary4.mf    ibylig4.mf   obary4.mf
        fibb84.mf    fibo849.mf   ibary4.mf    ibylwr4.mf   sampi4.mf
      
  3. YaTeXのインストール

    次に Meadow から TeX 形式で作成したファイルを扱うためのパッケージ YaTeX (やてふ、広瀬雄二さん)の導入を行う。
    このパッケージなしでも TeX ファイルを扱うことはできるのですが、このパッケージを使うことでより便利になるのでインストールした方がいいと思います(というか、私は最初からこれを使っていて、Meadow に標準で添付されているTeX 用のパッケージは使ったことがないのです)

  4. .emacsの変更

    次のような設定を .emacs ファイルに付加して保存する(C-x C-s)。

    (setq tex-command "platex")
    (setq dvi2-command "dviout")

    (setq auto-mode-alist
    (cons (cons "\\.tex$" 'yatex-mode) auto-mode-alist))
    (setq auto-mode-alist
    (cons (cons "\\.htm$" 'yahtml-mode) auto-mode-alist))
    (setq auto-mode-alist
    (cons (cons "\\.html$" 'yahtml-mode) auto-mode-alist))
    (setq auto-mode-alist
    (cons (cons "\\.shtml$" 'yahtml-mode) auto-mode-alist))

    (add-hook 'yatex-mode-hook '(lambda () (auto-fill-mode -1)))

    ;; 漢字コードの設定.
    ;; 1:SJIS 2:JIS 3:EUC
    (setq YaTeX-kanji-code 1)
    (setq yahtml-kanji-code 1)

    ;; 自動ロードの設定
    (autoload 'yatex-mode "yatex" "Yet Another LaTeX mode" t)
    (autoload 'yahtml-mode "yahtml" "Yet Another HTML mode" t)

    その後、Meadow をいったん終了する。(C-x C-c

  5. 動作テスト

    次の手順でTeX関係の設定がうまくいっているかどうかをテストしてみる。

    1. Meadowを起動して、
      C-x C-f ~/textest.tex [Enter]
      として新規ファイルを作る。
      このときに、メニューバーに YaTeX のメニューが現れていることを確認する。

    2. その新規ファイルに次のように入力する(あるいは今見ている画面の部分をコピーする)
      \documentclass[a4paper]{jarticle}
      \usepackage{ibycus4}
      
      \begin{document}
      
      \end{document}
      
      (その時、\ はバックスラッシュに換わっているが問題はない。)

    3. カーソル(ポインター)を上記の \begin{document} の下に持ってきて、
      C-x i
      とする(Ctrl キーと x を一緒に押した後に、i だけを押す)とミニバッファー(Meadow の一番下の行)に、
      Insert file: ~/cgreeek-meadow/sample.txt [Enter]
      として CGreek パッケージに添付のサンプルファイルを挿入する。

    4. 次に、以下のようにして YaTeX から TeXファイルをコンパイルする。つまり、
      C-c t j
      する(Ctrl キーと c を一緒に押した後に、t だけを押し、次に j だけを押す)と、textest.tex のウィンドウの下に別のウィンドウが開き、そこでコンパイルの状態が示される。そして、その下のウィンドウが動かなくなって、
      typeset finished at Mon Jul 17 23:29:51
      などという文字列が出てきたら、コンパイルは成功している。

    5. 以上のコンパイルの結果、textest.dvi というファイルが出来ているので、次のようにしてそのファイルを見てみる。
      C-c t p
      とすると、ミニバッファーに
      Preview command: dviout
      と出てくるので、そのまま [Enter]。 さらに、ミニバッファーに
      Preview file[.dvi]: textest
      と出てくるので、そのまま [Enter]。すると Meadow とは別に dviout というプログラムが現れて、そこに先の textest.tex の内容が表示されればよい。
      (dvioutの最初の起動の時や、ギリシア文字を含むファイルを初めて表示しようとした時には、表示されるまでに多少の時間がかかる。これは必要なフォントを生成しているためで問題ありません。)

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TLGの利用のための設定

ここでは TLG のCD-ROM を利用するための設定を行う。TLG とは古典ギリシア語で書かれた文献をほぼ網羅的に集積したもので、プラトンやアリストテレス、ホメロス、悲劇作者、ギリシア教父などのほとんどすべての作品が含まれている。
5年間の個人ライセンス契約で300ドルで使うことができます。
CGreek のパッケージではこの CD-ROM (もちろんハードディスクにコピーしたものでもよい)を Meadow の上で見たり、コピーしたりできるようになっている。

最新のパッケージによって、TLGのファイルを極めて便利に使えるようになりました。ここを見てみてください。 今後も頻繁に変更される可能性がありますので、注意してください。

  1. コンバーターの設定

    Bash を起動して、次のようにする。

    $ cd ~/cgreek-meadow/tlg [Enter]
    $ make [Enter]
    そして、上記の ~/cgreek-meadow/tlg/ のディレクトリに tlg2emacs.exe と tlg2cit.exe という2つのファイルが生成されていれば成功です。

    その上で、.emacs を開き次のように設定を加える。(ここでは CD-ROM ドライブは D: であると想定している。適宜変更のこと)

    (setq cgreek-tlg-directory "D:/")
    また、もし TLG の CD-ROM が少し古い#Dであれば、次の設定を同じ .emacs に加える。
    (setq cgreek-tlg-cdrom-version "D")

  2. 動作テスト

    TLG の CD-ROM をドライブに挿入しておく。
    Meadow を起動して、メニューバーの CGreek -> Open File -> TLG Format を押す。
    すると、TLGに入っている著作者の一覧のリスト (*TLG authtab*) が現れる。
    そこで著作者を選択し [Enter] を押すと、その著作者の著作一覧が現れる。
    さらに、見たい著作を選択し [Enter] を押し、ギリシア語のテキストが現れれば設定はうまくいっている。

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初めての人のためのヒント

  1. とにかく使ってみる

    とりあえず、ギリシア語を打って画面に表示させながら Meadow と CGreek の基本的な使い方を見てみましょう。

    1. Meadow を起動して、おなじみのC-x C-f として、ミニバッファーに
      Find file: ~/test.txt
      として新規に文書を作ることにします。

    2. 次に、ファンクションキーの10(F10というキー)を押し、Meadowの下から二番目の行(モードライン)の左端に [--]CGS と表示されたらギリシア語が打てる状態になっています。

    3. そこでCGreek をインストールしたディレクトリにある manual.html のBasic Operations -> Keyboard Input を参照して、あるいは、ここを参照して、何でもいいからギリシア語を打ってみましょう。
      また、Alt キーを押しながら x を押して(これを M-x と表記します)、ミニバッファーに
      M-x quail-help [Enter]
      とすると、画面の下半分に別の領域が現れて、そこにギリシア語とキーボードの対応表が出てきます。

    4. ギリシア語の入力において、アクセントと気息記号は順番は関係ありません(語頭の大文字の前の気息記号は別)。

    5. 次に、ファンクションキーの11(F10)を押して、ドイツ語やフランス語を入力してみましょう。
      ここでは manual.html のBasic Operations -> Keyboard Input を参照するか、上記の M-x quail-help として入力方法を確かめてください。
      この場合には、アルファベットの次にアクセントなどの記号類の順番になります。

    6. さらに、ファンクションキーの12(F12)を押して、日本語を入力してみましょう。
      ここではそれまでウィンドウズ上で使っていた日本語入力がそのまま使えます。

    7. 次に、画面上のギリシア語・欧文・日本語が混在した test.txt を保存しましょう。初めて保存するにはメニューバーで、
      CGreek -> Save Buffer -> CGreek Format
      としなければなりません。
      ただし、この混在文書の保存は二回目以降は、C-x C-s でも可能となっています。

    8. 今保存したファイルを画面から消すには、C-x k とします。すると、ミニバッファーに、
      Kill buffer: (default test.txt)
      とでますので、[Enter]を押します。

    9. もう一度同じファイルを読み込むには、再度 C-x C-f として、ミニバッファーに
      Find file: ~/test.txt
      とします。つまり、全く新しい文書を作る場合と既に存在している文書を呼び出すのとは同じことなのです。

    10. ですが、Meadowには便利な「補完機能」があります。上の再読み込みの例では、test.txt という文字を全部キーボードから打ち込んだのですが、そんなことをしなくても済むのです。つまり、C-x C-f とした後、
      Find file: ~/te
      まで打った後に、タブキー(Tab)を押したら、すぐに
      Find file: ~/test.txt
      という補完がなされるはずです。
      (これはもちろん、ホームディレクトリに「te」で始まる別のファイルが存在しない場合です。もし存在すれば、可能性のあるファイルの一覧を表示してくれます。)

    11. それから、ギリシア語などの入力とは独立の、文字の削除やコピー、カーソル移動の方法、ファイルの出入力など Meadow の基本的な編集方法については、まずチュートリアルを見てください。
      これはメニューバーの、Emacs Tutorial を押せば出てきますので、そこで練習することができます。

  2. Meadow を便利に使うちょっとしたこと

    ここでは Meadow を使いやすくするためにしている私の設定の一部を紹介します。
    ( .emacs を変更し追加した機能を動かすためには、Meadow を再起動させることを忘れないでください)

  3. リンク集

  4. 参考となる本

    大概のことは Web の上で学べますし、Meadow に特化した書籍は今のところ存在しないと思います。ですが、ギリシア語関係は別にしてエディターとしての Meadow の動作は Emacs, Mule とほぼ同じですの、参考になる入門的な書籍を挙げておきます。


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